トイレのタンクの中からチョロチョロと水の音がして水漏れしていると思われる場合の故障個所(故障している部品)の調べ方です。
この症状の水漏れは『タンクの排水弁の劣化』と『タンクの給水弁の劣化』が2大原因です。発生頻度は排水弁の劣化の方が高いです。(通常まず排水弁の劣化を疑う故障という意味です)
出典:カクダイ http://kakudai.jp/try/toilet/001_6_lowtank.html
故障診断の方法はオーバーフロー管の上端から水がオーバーフロー管の内側に流れていっているかどうかを見れば判断できます。
- オーバーフロー管の上端までタンク内の水面来ていない→排水弁の劣化
- オーバーフロー管の上端までタンク内の水面来ている→給水弁の劣化
故障診断をする時の注意事項等は下記をご覧ください。タンクのフタを外す時には先に止水栓を閉めます。止水栓を閉めないと手洗い金具の給水管から水が飛び出してしまいます。また特に古い止水栓を閉める時には注意が必要です。
排水弁の故障の場合でも給水弁(ボールタップなど)から水がチョロチョロ出ているので給水弁の故障と間違えがち
この症状で排水弁(部品代1,000円くらい)が故障原因だった場合、怪しげな水道修理の業者に修理を依頼をすると『ボールタップ(=給水弁)から水が漏れているのでボールタップと、念のため排水弁を取替えましょう』と言われたりします。
必ずしも両方の部品を同時に取り替える必要はありません。悪質な業者だと3,000円くらいの給水弁(=ボールタップ)の汎用部品を使ってメーカー品と同じ部品代(8,000円くらい)を請求するケースもあります。
そのため、どちらの故障か程度は自分で判断できるようにしておきましょう。
わが家のトイレのタンクの排水弁から水漏れしていましたのでその修理内容です
わが家の場合はタンクの排水弁から水漏れしていましたのでその修理内容です。
トイレのタンクの排水弁から水漏れした場合も、給水弁(=ボールタップなど)の劣化で止水不良となった場合でも外から見える水漏れの症状は全く同じです。外から見ただけではどちらの部品の故障かは判断できません。
どちらの部品で水漏れした場合でも便器の中に水が流れてきます。
給水弁または排水弁で水漏れすると便器の中のタンクに近い方から少量の水が流れてきます。量が少ないので気が付きにくいですが良く見ると水が流れているのがわかります。
止水栓を止めてからタンクのフタを外して水面の位置を見るだけで判断できます
古い止水栓を止める時には水漏れなどの危険があります。下記の記事をご参照ください。
▲わが家のトイレのタンク(INAX製DT-3810)の部品展開図です。
- 給水弁(=ボールタップ)
- オーバーフロー管
- 排水弁(=フロートカップ)
オーバーフロー管の上端までタンク内の水面来ていない→排水弁の劣化
タンクのフタを開けて見てタンク内の水面がオーバーフロー管の上端まで来ていない場合は排水弁の劣化が原因です。
間違えやすいのは排水弁の劣化の場合でもトイレの止水栓を開けると給水弁(=ボールタップ)からチョロチョロと水が流れる点です。
これは排水弁の劣化でタンク内の水が少しずつ便器に流れていってしまうため、足りなくなった水を給水弁から足している状態です。
この状態の場合、排水弁のゴム部分をウエスなどでさわってみて黒いゴムがべっとり付くようなら排水弁の劣化でほぼ間違いありません。
▲今回取替えたわが家のトイレの排水弁。ゴム部分が劣化してさわると黒いゴムがべっとり付きます。
オーバーフロー管の上端までタンク内の水面来ている→給水弁の劣化
オーバーフロー管の上端までタンク内の水面が来ていて、オーバーフロー管の中に水が流れて行ってしまっている場合は給水弁(=ボールタップなど)の故障です。
給水弁の止まりが悪くなって通常の水面で止まらず、オーバーフロー管の上端までタンクの水位が上がっても止水しないとオーバーフロー管から便器に水が流れ出てしまいます。
給水弁にはおもにボールタップ式とダイアフラム式(=最近の便器)があります。ダイアフラム式の部品はそれほど高くはありませんがボールタップ式の純正部品はそこそこの値段がするので注意が必要です。
INAX製タンクDT-3810の場合はオーバーフロー管を一時外して部品交換します
わが家のトイレはINAX製のタンクDT-3810が付いていました。このタンクの排水弁はオーバーフロー管を一時外して部品交換する必要があります。
▼オーバーフロー管を外したところ
オーバーフロー管は約90°回転させてから抜きます。→オーバーフロー管に通してある排水弁(=フロートカップ)を交換して逆の手順で組み立てれば完了です。
▼今回交換した排水弁(フロートカップ)A-3638 新品(INAX)
部品は楽天でも1,700円(送料別)くらいで取り寄せできます。
執筆者のプロフィール
- 父保有資格
・ガス内管工事士
・給水装置工事主任技術者
・電気工事士
・特監法ガス機器設置工事監督者
・GSSガス機器設置スペシャリスト
・二級建築士
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あもんと申します
個人的興味が勝り、トイレの入れ替えを自分でやってしまいました。もちろん素人が素人の責任でやりました。
入れ替え後から、きちんとフラッシュはできるんですが、数回に一度、吸水が終わってもチョロチョロと水が流れ、数分おきに給水されることがあります。軽くフラッシュすると水漏れが止まります。
素人工作が原因というのは反省しておりますが、これがやはり排水弁付近がきちんと入っていないことが疑われますでしょうか。
製品はTOTO sh221BAS です。
TOTOのSH
お書きいただいた症状ですと、排水弁が怪しいと思われます。
>数分おきに給水されることがあります。
この状態のときは、何らかの理由でタンク内の水が抜けてしまっています。
1:便器(便器の鉢内)のほうに水がながれてきていると思います。まずこの点を確認したうえで、
2:少しだけタンクの蓋を持ち上げ、隙間からタンク内の水面の位置を確認します。
3:タンク内の水面がオーバーフロー管より低くなっているはずですので
↓
排水弁の劣化もしくは排水弁がきちんと元の位置に戻っていないと思われます。
「数分に1回給水してしまう」という症状でしたらこれだと思われます。
はい、水が漏れている時は便器内に僅かに流れております。
ご説明が大体納得しましたので、排水弁を疑ってみます。
ありがとうございました。
コメントありがとうございます。
参考にして無理のない範囲でやってみてください。
家のトイレが同じ型のINAXのdt3810なのですが、
オーバーフロー管を回して外し、ゴムフロートの交換まではよかったのですが、いざオーバーフロー管を取り付けるときに、差し込みまでは大丈夫なんですが、逆方向に回せないという状態になってしまってます。そちらは取り付けるときに問題なく90度回せましたか?
コメントありがとうございます。
差し込みまで問題なくいけているようでしたら、後は取り外した時と逆方向に回すだけなのですが、
・溝に何か残っている(オーバーフロー管のツメが折れたとか)
・オーバーフロー管を差し込む向き(角度)が違っている
・オーバーフロー管の差し込みが不十分
などが考えられます。
この部分が緩いとタンク内の水が便器の方へ漏れて行ってしまうため、きっちりと止まっている部分ではあります。
※オーバーフロー管の受け側を破損すると修理が大変になりますので、無理のないようにやってみてください。
お返事ありがとうございます。
今確認したら、受けのつめが破損しているような感じですね…。
15年以上タンク内を手入れしていなかったので、オーバーフロー管が固着のを理解せず力わざで外してしまったのが原因ですね。
ご返信ありがとうございます。
原因が特定できたようで何よりです。
ご無理のない範囲でやってみてください。
うちのタンクもdt-3810なのですがフロー管がまわりません。
なんででしょうか?
コメントありがとうございます。
2月アタマでコロナのためホテル隔離していまして、気が付くのが遅くなりました。すみません。
『オーバーフロー管が回らないため、オーバーフロー管外せない』という事でしたら『固着しているため』だと思います。
無理に回すとオーバーフロー管が根本で折れる場合があり、折れると部品を調達するまでトイレが使えなくなってしまいますので、あまり固い場合はメーカーのメンテもご検討下さい。