宅内のブレーカーや屋外の電気メーターまわり、電気の引込み線の電気工事の後に複数の家電製品が壊れた場合、中性線欠相(中性線欠損)の可能性があります。

以前の記事ではわが家で起こった中性線欠相の事例を紹介しましたが、今回は電気工事の時に中性線欠相を発生させて家電製品が何個も壊れたにもかかわらず、修理等の費用の負担を電気工事した会社が認めようとしないときの対応として書き直しました。

 電気工事のミスによって中性線欠相がおきて家電製品が壊れた場合、当然電気工事会社に被害額を請求できます。

ただし被害者が『中性線欠相でしょ』と言わないと電気工事会社がみずからミスを認める事はほぼありません。わが家の場合もそうでした。

そのため『中性線欠相とはどんなことか』くらいは理解しておく必要があります。

中性線欠相とは3本ある電線の内、真ん中の白い線(=中性線)だけが切れるとそこより下流にある家電製品に200ボルトがかかって壊れる現象です。

中性線欠相の典型的な症状としては、すべての家電製品が壊れるわけではなく、何個かの家電製品が壊れる点にあります。

電気工事があった時に複数個の家電製品が壊れた場合、工事中のミスで中性線欠相が発生した可能性が高いと考えられます。

中性線欠相で全部の家電製品が壊れないのは中学校で習ったオームの法則で説明できます。簡単に言うと家の中にある家電製品の約半分にかかる電圧が下がり、残りの半分にかかる電圧が最大200ボルトまで上がります。

かかる電圧が上がるか下がるかは、主にその家電製品の抵抗値で決まります。原理的には下図となります。

中性線欠相の原理図(模式図)

中性線欠相は一般に知られていないからか電気工事会社がシラをきる傾向があります。

下記の事例では電気工事のミスにより中性線欠相がおこって家電製品が複数壊れたと思われますが被害者さんが費用負担したようです。電気工事会社は当然『中性線欠相をやってもうた』とわかっているはずですがシラをきったようです。

家電が壊れた…のはブレーカー工事のせい? OKWave

 ※上記の質問ページ(いわゆる知恵袋)の故障状況は明らかに中性線欠相なのですが、回答には『100ボルトと200ボルトの接続ミス』という指摘だけで『中性線欠相』を当てている方はいないようです。

『中性線欠相』があまり知られていないのを良いことに、電気工事会社や電力会社がお客様(電気を使っている方)を騙すのはいかがなものでしょうね。

 どのような工事ミスで中性線欠相になるのか

中性線欠相は3本ある電線の内、真ん中の白い線(=中性線)だけが切れるとおこります。しかし電気工事で電源線の中性線だけを切る(または切れる)事はまずありません。

現実的には中性線を外す順番を間違えた時と中性線の取り付けネジだけを締め忘れた時に中性線欠相になります。

宅内のブレーカー

宅内のブレーカーでしたらブレーカーを落とさずに最初に1、2、3、のどれかの電線を抜いた瞬間に中性線欠相になります。また工事が完了した時に1、2、3、のどれかの電線の差込部の締め付けネジだけを締め忘れた時にも中性線欠相になります。

電気メータまわりの中性線

電気メーターの工事でしたら同様に電気がきている状態でかつ宅内のブレーカーを落とさずに最初に1、2のどちらかの電線を抜いた瞬間に中性線欠相になります。また工事が完了した時に1、2のどちらかの電線の差込部の締め付けネジだけを締め忘れた時にも中性線欠相になります。

引込み線工事の場合だと無停電で工事をした時に中性線を外す順番を間違えると中性線欠相になります。

電気工事のミスで中性線欠相が起きてしまったときは

中性線欠相が起こると複数個の家電製品がショートして壊れるため被害が高額となります。そのため電気工事のミスで中性線欠相が起こったと考えられるときは全力で電気工事をした会社に責任を認めさせる必要があります。

中性線欠相は故障状況が特徴的ですので故障状況から中性線欠相を疑っている事を伝えます。

『故障状況から考えて、御社が誤って中性線欠相させてしまったと思いますが』

そんな事はめったにないと言われたら

『中性線欠相は十分一般的です。プロのあなた方が知らないハズはないと思いますが』

国民生活センターでも事例紹介されています。

それでも認めない場合は

『私は中性線欠相だと思います。違うというのであれば違うことを立証してください』

中性線欠相である事を電気のシロウトの方が立証するのはハードルが高いため、先方に中性線欠相ではない事を立証してもらいましょう。

ブレーカー下流の配線ブロックと中性線欠相が発生したときに繋がっていた家電製品の抵抗値を調べれば、各家電製品にどれくらいの電圧がかかったか計算で算出することができます。

その結果どおりに高い電圧がかかっていたであろう家電製品が壊れているようなら中性線欠相が原因ということになります。

また相手方が電力会社の認定店でしたら電力会社を含めて話し合いをしたほうが良い場合もあります。あまりにおかしなことを言っているようなら電力会社からのペナルティを圧力にして交渉すると話が早くなるかもしれません。

『中性線欠相保護機能付きの漏電ブレーカー』が付いているから中性線欠相が原因で壊れたわけではない、と言われたら

電気工事をした業者がもしも『お宅には中性線欠相保護機能付きの漏電ブレーカーが付いているから中性線欠相が原因で壊れたわけではない』と言ってきた場合は下記をご一読ください。

『中性線欠相保護機能付きの漏電ブレーカー』は現在ほとんどのお宅の分電盤(ブレーカーボックス)についています。『中性線欠相保護機能付きの漏電ブレーカー』は配線の劣化によって中性線欠相が発生してしまったときに電流を遮断して火災を防ぐために設置されている安全装置です。

そのため『中性線欠相保護機能付きの漏電ブレーカー』で家電製品の保護はできません。

一般的な『中性線欠相保護機能付きの漏電ブレーカー』の反応速度は「135ボルト以上になると1秒以内に電源を遮断」程度ですので、家電製品は保護できません。

『中性線欠相保護機能付きの漏電ブレーカー』で家電製品の保護はできません

中性線欠相保護と通常の漏電では反応速度、遮断条件が違います。

泣き寝入りにならないように頑張ってください。

いずれにしても電気工事が原因であれば泣き寝入りしないように頑張ってください。

前記事 道路の電気工事(引き込み線工事)で中性線欠損(中性線欠相)してエアコン他が過電圧で壊れた件。もご参考に。

※中性線欠相は古い住宅では配線の劣化やネジの緩みでも発生します。古い住宅の場合、中性線欠相は火災の原因となりますので別の意味で注意が必要です。
 
また、自分の所有物(所有範囲)で劣化により中性線が切れた場合は当然ながら修理費用は自己負担になります。