ねずみ講(マルチ)のニュースは定期的にでます。常に無くならない詐欺被害の一種です。

今回はねずみ講(マルチ)の仕組みと見分け方を書きたいと思います。マルチの仕組みと見分け方だけ理解しておけば勧誘手法がかわっても対応できると思います。


 典型的な『ねずみ講(マルチ)』の例と見分け方

(例)販促システムを75万円で購入して加盟店契約を結べば1人紹介(または販売)するごとに10万円の報酬がもらえるので参加しないかと勧誘される。3人以上紹介(または販売)するとランクが上がって1件あたりの報酬が15万円になる。

自分が紹介した人(子)が売ったら(孫)それにも1件5万円報酬がもらえる。

もともと無価値の物に法外な値段を付け、『あなたも儲かるからぜひやろう』と勧誘してくるのが特徴。

お金を集める口実に何か(『権利』や『情報』といったモノではない場合もあり)を販売するテイでお金を集め、集めたお金を上位の人で分配する仕組みがマルチ(ねずみ講)です。

ねずみ講の上位3段目くらいまでは確かに儲かりますので(犯罪ですから逮捕されますが)『売るもの』を変えていつまでも無くなりません。4段目以下は少し儲かったと思ったころで破綻します(結局マイナス) 

学生狙うネズミ講が後絶たず ネット関連会社を集団提訴へ

京都新聞2015年6月21日(日)8時43分配信

大学生ら12人が大阪のインターネット関連会社からねずみ講被害を受けたとして京都地裁に集団提訴する方針を固めた。

「学生の街」である京都では、大学生を標的とするマルチ商法の被害が後を絶たない。2006年7月には、京都の大学生ら約5千人以上を会員にして多額の利益を得たとして、京都府警が主宰会社の幹部らを摘発。

10年1月にも、同様の手口で利益を得たとして、IT関連会社の元会長らを逮捕した。関係者は「ほとぼりが冷めた頃に、新たな学生が被害者となる繰り返しだ」と困惑している。

ねずみ講は金を出す会員が無限に増えるのを前提にして、2倍以上のペースで増加する下位会員から金を得て、上位会員で分配する仕組み。人口に限りがあるため、必ず破綻する。

ネズミ講イメージ

愛知県でマルチ(ねずみ講)をした場合のシュミレーション

愛知県は人口が約745万人、15歳以上の人口が633万人です。この15歳以上の4人に1人の158万人がマルチに参加した場合でシュミレーションしてみます。(158万人もマルチに参加したらすでに社会問題化しています。現実的には参加者が1万人を越えたらすでに社会問題になっていて破綻します。)

▼3人紹介すれば良い場合、上から7~8人目あたりで破綻します。

ねずみ講(マルチ)の参加者シュミレーション1

紹介人数が少なくて良い場合、子、孫、ひ孫以下から少しずつ回収する仕組みになります。数字上は上から数えて13人目で破たんしますが、現実には遅くとも参加者が1万人を越えた段階(上から8~9人目)で社会問題化して破綻します。

▼4人紹介すれば良い場合、上から5~6人目あたりで破綻します。

ねずみ講(マルチ)の参加者シュミレーション2

上から10人目で参加している人が104万人となり、数字上1人も紹介できない事になります。

▼6人紹介すれば良い場合、幹部の手下のすぐ下の4~5人目で破綻します。

ねずみ講(マルチ)の参加者シュミレーション3

上から8人目で参加者は111万人となります。この人数になる前に社会問題化して破綻するため現実的にはありえません。

つまりマルチ(ねずみ講)で『儲けよう』とする場合はネズミ講の開設者になるか、そのすぐ下の手下になるしかありません。うまくいけば儲かりますが破綻した時にはタイホされる可能性があります。

友人、知人からあなたに『うまい儲け話』がきた時、その友人がネズミ講の開設者でなければあなたは搾り取られる側の一般会員ですから参加しても儲かりません。

マルチ(ねずみ講)の一番の問題は知人、友人に被害が出てしまう事(加害者になる事)

マルチ(ねずみ講)は一般会員は必ず損をして破綻します。自分が良いと思っても他人に勧めてはいけません。友人、知人に勧めた場合、あなたは友人を失って加害者になってしまいます。

ただし参加した直後だけはお金が入ってくるので本気で『儲かる』と思ってしまいます。あなたに勧めてきた友人も『儲かる、本当にお金が入った』と言うでしょう。

どうしても儲かるからやりたいなら自分だけ加入して友人に勧めなければ他人に迷惑をかける事はありません。しかしマルチ(ねずみ講)は人に勧めないと自分が儲かる事はありません。それがマルチ(ねずみ講)です。

引っかからないように注意してください。

同じマルチでもMLM(マルチレベルマーケティング=通称ネットワークビジネス)は違った危険があるので別の記事にします。

同じマルチでもMLM(マルチレベルマーケティング=通称ネットワークビジネス)は違った問題があるので別の記事にします。

MLMはたとえば『タッパーウエア』の販売方式や『アムウェイ(洗剤)』などの販売方式です。