最近また楽天に不正アクセスされて楽天ポイントが盗まれる事例が発生しているようです。今回多い手口は楽天ポイントを勝手に使ってネットショップで買い物されたり、リアル店舗で買い物されるパターンです。

そのため楽天ポイントをたくさん貯めている方が狙われているようです。

何度か同じような記事を書いていますが私は数年前に自分の楽天アカウントに不正にログインされて登録してあったクレジットカードを不正使用され、貯まっていた楽天ポイントも使われました。

その時に不正使用された楽天ポイントを『少額訴訟を利用して』返してもらいました。その方法です。

※クレジットカードの不正使用分はカード会社が不正使用と判断してくれたため請求されなかったのですが、不正に使われた楽天ポイントは楽天が返還してくれなかったので少額訴訟を利用して返還してもらいました。

楽天で不正使用された楽天ポイント

▲被害金額約¥48,000円+盗まれた楽天ポイント2,000ポイント(=2,000円相当)

 


概略手順 楽天に『少額訴訟で楽天ポイント分の請求をしますよ』とメールするだけ

私の場合はこのメールだけで楽天ポイントを返還してもらいました。

To:info@books.rakuten.co.jp
Cc:myinfo@faq.rakuten.co.jp
2014年4月23日 水曜日 午後7:09

ご担当者さま。 たびたび恐縮です。

御社からご指示いただきましたサイバー警察受付経由で申し込みをしたところ、当方の所轄警察署から連絡があり、資料一式を持参して届けを受理してもらいました。一応捜査はしてくれるそうです。

その際、代金についてはカード会社が被害者となる旨の説明を受け、納得しました。

ただし、使用された楽天ポイントにつきましては当方の被害と考えています。つきましては少額訴訟での被害の回復を考えています。

御社の法人登記が必要になると思いますが、少額訴訟の相手方となる法人は下記でよろしかったでしょうか。
http://corp.rakuten.co.jp/about/overview.html

違う場合は正しい相手方をご提示ください。

御社は楽天、楽天ダウンロードと担当を使い分け、責任を明確にしないきらいがあります。正確な情報をご提示ください。

これは脅しではなく実際に少額訴訟をするつもりで送っているメールです。『少額訴訟』は個人で簡単にできます。ただしその仕組みを理解した上でメールを送らないとウソだとばれてしまうので注意が必要です。

『楽天ポイントを返還しないと本当に少額訴訟されて面倒なことになる』と楽天に思わせれば良いわけです。

下記が楽天ダウンロードからの最終的な回答です。

From: “info@books.rakuten.co.jp”2014年4月24日 木曜日 午後3:09

楽天ダウンロードでございます。

警察へのご対応のお手間をいただき、誠に恐縮でございます。弊社といたしましても、警察より依頼のあった際には、出来る限りの協力をさせていただきます。

本件につきまして、サービス運営の母体である楽天市場より、クレジットカード会社からお客さまへ請求取り消しの案内がされているため、不正利用は確定と判断するのが望ましいとの申し伝えがございました。

また、上記の不正利用との判断に合わせ、楽天スーパーポイントの返還を決定いたしました。

この度のお問い合わせをいただく前のご案内ができず、大変恐縮でございます。お客さまの意思を妨げるものではございませんが、ご理解をいただけましたらば幸いでございます。

なお、私どもは「楽天株式会社」にて、間違いございません。

返還ポイント:2,000pt
返還日   :2014年4月24日
※期間限定ポイントを利用されていた場合は、通常ポイント(期限なし)として付与されます。
※ポイントの反映までにお時間がかかることがあります。

 

『少額訴訟』になるとポイント分だけでなく訴訟費用(約1万円弱)も請求されるし、誰かが裁判所に出頭しないといけないから訴訟を回避するのは当然

楽天ポイント2,000ポイントを被害金額に直して2,000円の請求額で少額訴訟をすると約1万円弱の訴訟費用が必要になります。訴訟費用は先方(今回の場合楽天)に正式に請求できます。

さらに訴訟となると誰かが裁判所に出頭しないといけません。そんな事なら2,000ポイント返還した方が安上がりだという判断になります。

つまり実際に少額訴訟をする必要は結果的にはないのですが、できる状態にしておく必要はあります。

少額訴訟は簡易裁判所で書類をもらってきて書面を提出するだけでできる

少額訴訟は訴訟と言っても書類を提出するだけでできます。相手との事前の交渉は必要ありません。必要な書類は簡易裁判所に置いてある書類と双方の当事者確認のための書類です。

裁判所で聞けば必要最低限の事は教えてくれます。(アドバイスはしてくれません)

自分の当事者確認は市役所に住民票を取りに行きます。相手が法人の場合の相手の当事者確認には相手の会社の登記簿謄本があればOKです。(会社の登記簿謄本はネットで取り寄せできます)

担当の裁判所は自分の最寄りの裁判所にできます。相手が楽天(本社東京)でも東京へ行く必要は全くありません。

楽天は自社の責任ではなく私たち被害者の責任だと言ってきます

この件で何度か楽天とメールのやり取りをしましたが、基本的に楽天は自社には責任が無く、私たち被害者のIDとパスワードの使いまわしが原因で、しかも楽天から流出したわけではないので関係ないといったスタンスです。

私個人としては他の大手ネット通販と比べて楽天のセキュリティが低い事が原因だと考えています。そのため楽天では同様の被害が多いように思います。

まぁそのような事情は少額訴訟ができるかどうかとは一切関係ありません。自分が受けた被害を請求するのが少額訴訟であって、どのような事情で被害を受けたのかは書類を提出する時には書く必要がありません。

楽天のセキュリティが甘いから被害を受けた→だから楽天に被害額を請求する。といった考え方です。

楽天が楽天ポイントの返還を拒否した場合は少額訴訟を実行するかどうか決める

私は最終的には少額訴訟をやるつもりでメールを送りましたが、そこまでの根性がない方は拒否された段階であきらめた方が良いでしょう。

メールを送るのにはお金もかかりませんのでメールを送るところまではやって、後は先方の出方次第です。

少額訴訟の書類をととのえて裁判所に提出すると、後日裁判所から出頭命令がきます

少額訴訟の場合、基本的に1日(1回)で終了します。裁判の日程は裁判所が決定します。出頭命令ですから基本的に拒否はできません。相手が無断で欠席したら無条件で勝訴となります。

私は一度だけ決められた日時に裁判所に原告(訴える側)として出頭したことがあります。ドラマで見るような黒い服を着た裁判官が法廷にいるのはその通りなんですが、原告(訴える側)が法廷内に大勢いて自分ひとりではありませんでした。

その時は先方が出廷せず、裁判官から『少し待ちますか』と聞かれましたが丁重にお断りして即勝訴となりました。貴重な経験でした。

教訓 ネット上にクレジットカードは極力登録しない、ポイントは早く使い切る

楽天市場にクレジットカードを登録しておくと支払いの時に確かに便利です。しかし不正アクセスされると登録してあるカードで買い物し放題になってしまいます。

楽天に限らずネット上には極力クレジットカードを登録しない事をおすすめします。楽天の場合は買い物する時にカードを使うと自動的にカード情報が登録されてしまうので注意が必要です。

また一般的にポイントは貯めて使うよりその都度使いきった方が経済的合理性があるといわれています。

セキュリティの面からみてもポイントは貯めずにできるだけ使い切ったほうが安全です。

後日談 新聞の取材がありました

楽天の不正請求の件で新聞の取材がありました。

楽天の不正請求の件で新聞の取材がありました。